留学生の声 » 廖 怡 真

~留学生体験記~

『台湾と少し違う日本の観念や習慣はまだ慣れていないけど、 日本の良いところを身につけるように今後は頑張りたい。』

廖  怡 真
(LIAO, I-JEN)

第25期在日留学生
 早稲田大学
大学院商学研究科修士課程修了(中華民国)

私は去年の9月から、早稲田大学大学院へ入学して商学研究の専攻を始めた。

入学してから、さまざまな課程を通じて、学術研究の経験豊かな教授や各国から来た優秀な学生たちと出会う中で、専門知識を増やしながら、私にとって、必ず人生の中でも珍しい経験が積めると思っている。

今年、一年間を経て、私は台湾人と日本人の学生の考え方や習慣が違うことに気づいている。

日頃、大学院の課程では、発表がたくさんある。発表するまでに、自分が担当する部分を整理して、意見を加えて、クラスの授業をする前にコンピュータのパワーポイントでレポートを作り発表する。

学生たちにとって、内容はもちろん自分の考え方を入れ、きちんとみんなに伝わるように作成する。その際、台湾の学生たちは、聞き手の印象に強く残すために、発表内容はいつも華やかで、様式や背景のレジメで表現する。

だから、初めて日本人の学生が作った簡素なレジメを見たとき、本当に驚いた。

こういった表現を就職活動の中でもよく感じている。台湾では、そんなに服装や履歴書の書式は厳しくないけれど、日本では、就職活動の季節になると、髪を 真っ黒に染めて、真っ黒いスーツを着ている学生たちが町でよく見かける。みんなは同一のエントリーシートを書き、同じ姿で面接を受ける。競争者より優れて いたいのなら、仕事に対する実力や資質があることをアピールしなければならないと聞く。

確かに、日本人はあまり外見で目立たないということに、注意をはらうということは分かる。

私が、最初に発表の準備をしたとき、日本人の同級生のように簡素なレジメを作るのは不安に感じていた。いくら自分の調査研究した成果を見ても、何か足りない感じがした。ほかの人と同じ様子で面接を受けるときも、印象に残りにくいと心配してしまう。

しかし、一番重要なものはそのことの内容または内面や本質ではないだろうか。発表の内容をきちんとまとめ、要点や意見を伝えたり、面接の場合だったら、面接官に自分の熱意や能力を肌で感じさせたりすることが何よりも大切だと思う。外見はそんなに決定的だとは思わない。

台湾と少し違う日本の観念や習慣はまだ慣れていないけれど、今後はもっと日本の良いところを身につけるように頑張りたいと思っている。

機関誌「ふれあい」 №71号 秋季号 (2010.10.25発行)