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~留学生体験記~
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『ルールを守る心があるからこそ、東日本大震災から復興することができると信じます。「頑張れ、日本」』

ドン ティ トゥイ ブァン
(DON GTHI THUYVAN)

第26期在日留学生
 東京国際大学
商学部商学科卒(ベトナム)

日本に来て、ベトナムとさまざまなのことが違うと感じました。ゴミの分別や買い物の時の並び方、日本人の真面目さと日本のサービス業についての違いを大きく三つに分けます。

一つ目はゴミの分別や買い物の並び方などです。ベトナムでは、ゴミはすべて一緒に捨てています。日本では、ゴミを分別して、決まっている日に決まっている ものを捨てるということが、ルールであると知り、驚きました。そして、買い物をして、レジで会計する時、みんなちゃんと並んで、自分の順番まで待っている 姿もとても素晴らしいと思います。私の国では、そのようなことはまだできていないのです。

二つ目、日本人は仕事に関しても真面目です。また、日本人の親切さと優しさは、ベトナム人とは違うと感じました。例えば、私が原因で、相手にぶつかったに も関わらず、向こうから「すみません」と謝ってくれたり、私が道に迷った時、知らない人に尋ねると、とても親切に詳しく教えてくれます。

また、日本では、ベトナムと違って、お祭りがたくさんあることです。みんなは忙しくても、積極的に参加している姿を見て、"日本人は人との触れ合いや伝統などを大切にしている"と感じました。

三つ目は、日本のサービス業です。お店に行って不明な点がある時に尋ねると、とても優しく、笑顔で丁寧に説明してくれます。私が店で商品を誤って落としてしまっても、ベトナムと違い弁償を求められないということには驚きました。対応の良さに感動しました。

その一方で、日本人は喜怒衰楽を、あまり表に出さないので、笑っているのに、何を考えているのかが分からないことが多いと思います。

ほとんどのベトナム人でしたら、言いたいことははっきり言うし、自分の気持ちをそのまま表に出します。なので、日本人と交流している時、何か大きい壁があると感じます。

また、3月11日の東日本大震災のことを振り返って考えてみると、地震と津波は、とても怖かったです。しかし、私は東京にいたから、揺れるだけでも恐怖で したが、現地の人たちは津波と原発もあって、涙がでるくらいの悲しさだったと思います。家や財産などのすべてが津波でなくなるだけでなく、自分の家族まで も津波に流されて、ずっと帰らぬ人になった家族や子供たちもたくさんいました。

しかし、その大震災が起きたからこそ、日本人の強さやマナーの良さを知ることができて、感動しました。いろいろなことが起きたのにも関わらず、地元の復興のため、頑張っている方々がたくさんいました。

そして、他国でしたら、震災になったら、混乱するであろうに、日本人はとても落ち着きながら、マナーを守っていました。

例えば、食べるものを配ったりしている時、みんなは順番に並んでもらっていました。他国であったらこうしたことができるか疑問です。

でも、私はその,ルールを守る心があるからこそ、東日本大震災から復興することができると信じます。「頑張れ、日本」。

機関誌「ふれあい」 №76号 冬季号 (2012.1.25発行)